脳卒中患者

脳卒中患者への経鼻投与

灰白質での虚血性、白質での虚血、又は混合領域での虚血のいずれかを伴う8人の患者(男性6名、女性2名)に対し、SHED-Tの培養上清を投与して、治療効果を検討した。
8人の患者はいずれも、この治験に加わる前に、脳卒中の標準的な治療を受けており、MRIによる診断、神経学的な試験及びNIHSSを用いて点数化した評価を受けていた。
表1に示す患者は、脳卒中の発症後、20日〜133日を経過していた。

患者のプロファイルを下記表7に示す。 実施例1で調製したSHED-CM(SHED-Tの培養上清)を、鼻腔内の臭神経の集中する部位より経鼻投与した(図11及び12)。

投与期間は、投与開始の時点から起算した。

回復の状況は、投与開始後、1日、2日、4日、7日、14日、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月及び1年の各時点で、神経外科医及び神経学者が評価した。ブラインドテストは行わなかった。すべての患者について、脳のMRI及びMRAを行った。

MRAは、磁気共鳴血管造影とも呼ばれ、血管の状態を立体画像で表示することができる検査である。ある患者のMRAによる画像を図13に、また、MRIによる画像を図14にそれぞれ示した。

SHED-Tの培養上清投与の前後の血中酸素濃度、体温、血圧、心拍数、呼吸数等を、心電図を用いて、注意深くモニターした。投与前後で胸部レントゲン撮影も行った。 SHED-CMの鼻腔内投与前及び投与1年経過後に、すべての患者について血管病変を特定するための核磁気共鳴血管撮影を行い、カラー化核磁気共鳴画像法(MRI)で撮影結果を観察した。神経学的な状態は米国国立保健研究所(NIH)の脳卒中基準(NIHSS)を基に点数化した。
8人中2人の患者(いずれの急性期)では、NIH基準及びMRI画像において顕著な回復が見られた(図15(A)及び15(B)、図16)。

No.2の患者は、図17(A)に示すように、麻痺していた右手でカップの積み替えができるようになり、また、図17(B)に示すように歩行できるまでに回復した。

SHED-CMを投与したいずれの患者においても、中枢神経系に腫瘍、異常な細胞増殖、及び神経学的な悪化は観察されなかった
また、いずれの患者にも鼻の異常、全身性の悪性腫瘍、全身性の感染症は観察されなかった。

詳細は特許庁ページでご確認ください。